「はとぽっぽ」という作品の楽曲分析をはじめます。三部形式、2管のオーケストラです。これまで投稿した「あさひ」「けんだま」と同じように、音楽理論を作曲にどう活かすか、ということに視点をおいております。子供でも楽しく聴けるようにしています。冒頭から少しずつ分析を進めていきます。
楽曲分析。「はとぽっぽ」の前奏です。早速、基本となる2つのモチーフが現れます。「+2→−2→−2」と「トリルと跳躍進行」の2つです。木管楽器・金管楽器が交互に担当し、最後に弦楽器が加わり、バイオリン×3が、「ピョン!」と鳴らします。和音はドッペルドミナントとドミナントの連続です。
楽曲分析。はとぽっぽ。前奏を終え最初の大楽節。テーマは前出のモチーフを継時的につないでいます。和音は、Ⅰ→Ⅰ1転→Ⅴ→Ⅴ1転→Ⅴ→Ⅴ1転→Ⅰ→Ⅰ1転→Ⅳ1転→偶成→Ⅳ→偶成→Ⅱ7→Ⅴ→Ⅴ3転。ほんとうに基本的な和音です。それでも活き活きとした音楽ができるので不思議です!
楽曲分析。はとぽっぽ。前回の大楽節の後半。和音は、Ⅰ1転→Ⅰ→Ⅴ3転→Ⅴ2転→Ⅴ1転→Ⅴ→Ⅰ→Ⅰ1転→Ⅳ→Ⅰ1転→Ⅴ→Ⅰ。基本的な和音・和声です。オーボエとクラリネットで継時的につないでいたモチーフを同時的に出して変化をつけています。弦楽器のピチカートが伴奏となっています。
楽曲分析。はとぽっぽ。中間部。2つのモチーフを、継時的そして同時的に、これまでと違った形で使っています。前半は木管楽器だけ、後半は金管楽器・弦楽器を加え、和音は、Ⅴ→Ⅳの準固有→・・・→Ⅴ3転→Ⅰ1転→Ⅴ2転といたってシンプルです。最後に再びバイオリンの「ぴょん!」があります。
楽曲分析。はとぽっぽ。再現。メロディー・バスともにオクターブになり音域が広くなり、後半は、モチーフが継時的・同時的に表れ、最後の展開をします。それから、Ⅳ→Ⅰ1転の和声を、Ⅳ→ドッペルドミナントにして、変化をつけました。虫眼鏡を使ったように見ると、こんな感じになります。
楽曲分析。はとぽっぽ。後奏。伴奏は弦楽→木管→金管→弦楽と移り変わり、モチーフの一つがシンプルに出てきて、回想します。それから、前奏では、高音から低音に下りていくのに対して、後奏では、低音から高音になり、最後に2つのモチーフを同時に鳴らして終わります。和音はⅠ・Ⅴ・ドッペル。
「はとぽっぽ」の投稿はこれで終わりです。2つのモチーフだけで曲の大部分を構成することができ、継時的・同時的につないだり、組み合わせたりすることで、さまざまバリエーションが生まれます。またシンプルであることも大切にしています!こんな曲ももう少しありますので引き続きお楽しみください!