「けんだま」という作品の楽曲分析をしていきます。2管編成のオーケストラで1分くらいの短い作品です。3部形式でとてもシンプルな構成です。音楽理論をどう活かすか、ということに重点をおき制作しました。子供でも楽しめる音楽となりました。どうぞお楽しみください!
楽曲分析。2/4,3/8,2/8拍子が入れ替わる、少しトリッキーなはじまりです。これは、「せ~の!」でけん玉を振り上げたものの、玉が剣先に入らず、何度も繰り返している様子を弦楽器で表しています。今後、オクターブが上がっていくのを、同じ楽器で表現するため、木管でなく弦楽器にします。
楽曲分析。音程のモチーフは、オクターブ、+短2度・-長3度の2つから出来、他はこれらモチーフの変形です。また、音価のモチーフは、4分音符・8分音符、8分音符3つの2つで、他は変形です。和音はⅠ度、Ⅴ度で出来ており、小楽節の最後にⅣ度が。拍子以外はとてもシンプルな構成になります。
楽曲分析。和音、モチーフは全く同じですが、1オクターブ上げ、構成音を変え、木管楽器を加え、テーマをより強調しています。拍子の頻繁な交替に慣れましたでしょうか。ここが演奏で難しいところかもしれません。ここまでで弦楽器と木管楽器を出しました。次は、突然音楽が変わる、中間部です!
楽曲分析。「けんだま」中間部の前半。最高音は既出の±2度の音程モチーフで3/8と2/8を交替しながら進行し、最低音は+短2度・+短3度の音程モチーフで3/8をずっと維持しながら進行。和音は各7・各3和音が入り乱れながら変化。なかなかうまくけんだまが出来ず興奮している様子です。
楽曲分析。「けんだま」中間部の後半。前半の音はHに集中しユニゾンで終わります。そこからムキになってけんだまの玉を剣先に入れようとするものの額に当たって、あいたたた・・・といった残念な様子が浮かんでくるでしょうか。バルトーク・ピチカートのバチン!をもっと効かせたいのですが・・・。
楽曲分析。「けんだま」の後半-前半。クライマックス。金管・木管・弦楽・ティンパニの全奏。3回目のテーマなので音域も一番広くなり、オクターブのモチーフに、ホルンの2オクターブのグリッサンドを効果的に使えたと思っています。それから、金管・木管を少しずつ抜いて、ソロにつなげます。
楽曲分析。「けんだま」の後半-後半。オーボエのソロが入り(本当はピッコロにしたい)、中間部の雰囲気を再現し、オクターブのモチーフを上から下に下げて、全奏で終わります。ソロの背後の和音はⅠ→Ⅳ度上のⅤ度→Ⅳ度→Ⅳ度の準固有和音→・・・(C→C7/Bb→F/A→Fm/Ab→・・・)と変化させます。
「けんだま」の楽曲分析は以上です。自分で作った作品をTwitterで解説していくと、どんな感じになるのか、試してみたかったので投稿しました。拍子はいろいろと出てきますが、中間部以外の和音は、とてもわかりやすかったのではないでしょうか。楽譜と音源は近いうちに、どこかにアップロードします!