6月から「こまねずみ」という作品の楽曲分析をはじめます。これまでの作品と同様の編成、形式です。聴きやすく、親しみのある曲になっています。とてもシンプルに出来ており、音楽理論を作品にどう活かすか、という点を重視しています。それまで、音源を分割したり、準備の作業をしております。
「こまねずみ」楽曲分析・作曲・DTM。前奏。どのモチーフも、2度・3度の音程から作られており、前奏ではバラバラにして、ちりばめ、継時的につないでいます。くるくる回転したり、あちらこちらに動き回る様子を表していますが、みえてくるでしょうか。調はG-Dur。前奏はコードがありません。
「こまねずみ」楽曲分析・作曲・DTM。前半。オーボエがユニゾンで2度・3度下行するモチーフを、弦楽のピチカートが表拍と裏拍を刻み、和音は、Ⅰ→Ⅴ7→Ⅰ→Ⅴ7→Ⅳ→Ⅳ度上の5度→Ⅳ→Ⅳ度上の5度→Ⅱ7→vⅤ(ドッペル)→Ⅴ→Ⅰ→繰り返し。ねずみのうろちょろする様子が伝わるかな。
「こまねずみ」楽曲分析・作曲・DTM。中間の前半。中間部は、ずっとドミナントが続きます。2度と3度のモチーフ、ジグザグした音型が、その上にあらわれます。1回目は金管、2回目は弦楽と木管を使います。ところでゲーム音楽のようだ、といわれたことがあるのですが、ゲームでなく、ねずみです!
「こまねずみ」楽曲分析・作曲・DTM。中間の後半。2度(半音)・3度からなるモチーフが、ドミナント上で、いろいろ出てきます。最後は一方のモチーフの音価を2倍にして、2つを同時に使っています。低音をよく聴くとおわかりだと思います。この作品は、三部形式・オーケストラ2管編成です。
「こまねずみ」楽曲分析・作曲・DTM。後半。モチーフをオーボエ・クラリネットが交互に鳴らし、弦楽中心のピチカートリズムは裏拍が1つ増えます。その裏拍に和音も一つ加え、モチーフの半音階進行の支えとなります。フルートとピアノは装飾音符となったモチーフでアクセント。前半を進化させます。
「こまねずみ」楽曲分析・作曲・DTM。後奏。とてもかんたんに作られております。タタッタタタッタはすでに出てきたモチーフで、次に別のモチーフをユニゾンで鳴らし、ティンパニのGのグリッサンドとともに終わります。全体的に軽快な動きが多いですが、2管のオーケストラでできるかどうか。
「こまねずみ」楽曲分析・作曲・DTM。ここまでモチーフ、またその継時的・同時的な組み合わせの可能性について、そして和音などを投稿してまいりました。とてもシンプルな作品ですが、その中でもいろんな工夫をしていることがお伝えできたら、うれしいです!サイトにまとめのページがあります。